こんにちは。博多駅・まま魚チームです。
欠けたり割れたりしたお皿を、金継ぎという方法で直そうと始めた前回。
(金継ぎで器を修繕!!~前編~)
今回はその続編です!
まず前回のお皿を見る前に、購入した金継ぎセットの箆(ヘラ)の使い勝手が今一つだったので、ネットを参照に箆を自作します。
皮が残っている方が折れにくい為、平竹串が良いとありましたが、今回は割り箸で作っていきます。
まずはこくそ箆。こくそ漆(パテ)を塗るのに使用します。
割り箸の片面を平らに削ります。左右を斜めに削り、両側を砲弾型に削ります。
先が薄くなったら火で炙り、ペンチで曲げます。最後にペーパーで表面を整えて完成です。
使ってみてわかりましたが、違うカーブが2,3種類あると便利です。(この後5種類作りました)
続いて付け箆を作ります。漆を混ぜる時や麦漆(接着剤)を塗る時に使います。
こちらは割り箸1本で。
両面を削り、先が薄くなったら、先がしなるように調整します。薄すぎるとコシが弱くなります。
斜めにラインを入れハサミでカットします。
これも厚さ(コシ)を変えて3種類作りました。ハマるともっと作っちゃいそうです。
さて、ここからが本題の金継ぎ作業です。
前回と別の日に接着した分が一ヶ月経ったので、さぁ固まったかな~と確認しようとしたところ
固まっていなかったみたいで見事に割れました!!
更に弾みで横に積み上げてあった接着した器たちも倒れて割れてしまい、被害拡大です…。
欠けを埋めた所も固まっておらず、ポロっと取れてしまいました。
心が折れてしまい、この後二ヶ月程手を付ける気になれませんでした…。
(漆が固まるには70%程の湿度が必要ですが、2月頃の乾燥する時期であったこと、漆の配合によっても違いが出ること等、色んな要素が関係するようです)
しかし自宅で作業して、器が割れる度に持ち帰るので家に器が貯まってきました。
嫁さんの「この器どうすると~」の声も大きくなってきたので、重い腰を揚げネットで対処法を検索したところ…
ありました!
一つは漆に混ぜる練った小麦粉(接着剤)、砥(と)の粉(パテ)の配合を変えてやり直す。(つらい)
もう一つは「ほったらかす」「いつかは固まる」。
いつかまでは待てません…
そんな時に思い出しました。強い味方!
世界のTAMIYAプラパテ!(プラモデル用ですが)
ゴール〇ンボンバーのボーカルさんが着ていたTシャツがこのロゴでした。
今回は、本漆金継ぎと言って漆等の天然素材のみでのチャレンジですが、簡漆金継ぎと言うエポキシ樹脂のパテや接着剤の上から天然の漆を使う方法もあります。
これもアリかなとは思いましたが、これまで挑んできた意地もあります。
とりあえずプラパテの使用感は後程。
いざ、修繕
まずは漆にて接合したものです。
漆で接合し、はみ出た部分を削り、砥石とペーパーで整えます。
こちらは欠けをこくそ漆で埋めたものです。
余分な部分を削りペーパーで仕上げます。こちらはまだ途中ですが、欠けの部分のみを残します。
次により滑らかな錆漆(さびうるし)を塗る為にマスキングをします。
まずは錆漆の作り方から。
砥の粉(細かい土の粉)をさらに潰して、少しずつ水を加えながら練り上げ、漆と少しずつ混ぜて完成。
箆(ヘラ)大活躍です。
欠けの周りをマスキングテープでマスキングし、錆漆を塗ります。
割れの場合も同じく。
はみ出た部分を削り
ペーパーで削って仕上げます。
いよいよ最終段階です。
割れのラインに沿って弁柄漆を塗ります。
この上に金粉が乗るので慎重に。
塗り終えたところ。
ただ真っすぐよりも、多少太さに強弱があった方が味が出るような気がします。
次に欠けの部分です。
下にはTAMIYAのプラパテを塗ってあります。ですが作業的には一緒です。
こんな感じ。
この後表面が半乾きになるのを待ちます。
およそ30分から1時間。状態により変わります。
このタイミングで仕上がりに差が出るそうです。
ついに金粉登場!!
ごく少量ですが、この量で5,000円を超えます。
金粉の他にも銀粉、錫(すず)粉、真鍮粉での方法もあるようです。
器の色によって変えても面白いかもしれませんね。
先程の半乾きの漆に被せるように金粉をパサっと乗せ
余計な粉は下に落として回収します。
完成!!
欠けの方も同じく金粉を乗せ
優しくはらいます
こちらも完成!!
この後5日程乾燥させた後、メノウと言う石(表面がツルツルの石)で磨くと更に輝くそうですが、怖いので一か月程置いてみます。
金継ぎを体験してみて・・
金継ぎとは、かなり手間と時間がかかり(2か月はかかるとおもいます)費用の面でも実用的ではないかもしれません。
しかし、本来処分していたものに手をかけ使用する事によりもっと物を大事にする気持ちが芽生えてくれれば意義はあるかと思います。
ただ、洗浄機不可とありました。どうしよ…
行程写真ばかりで、華がなかったので、最後に華を(笑)↓
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