ざうおはいつ行ってもたくさんの魚たちが元気に泳いでいますが、みなさんはあの魚たちがどのようにお店へやってくるかご存知でしょうか。
今回は、ざうお天神店料理長への直撃取材の模様をお届けします!
…お仕事中失礼致します。まずはお名前を教えて下さい。
こんにちは!ざうお天神店・料理長の中廣 章太(なかひろ しょうた)です。
今回はざうおの活魚の仕入れの秘密について大公開しちゃいます!
「鮮魚」より新鮮な「活魚」がどうやって海からお店にやってくるのか、一緒に見ていきましょう!
…「活魚」という言葉には、どのような意味があるのですか?
「鮮魚」と言うのは、釣り上げられてから割と時間のたっていない魚たちのことですが、もうすでに命はありません。
反対に「活魚」は生きた魚のことで、生け簀を海の中と同じように元気に泳いでます。
どうやってあれだけたくさんの生きたままの魚がざうおへ運ばれてくるのか、ちょっと不思議に思いませんか?
築地市場などを見ても、魚はすでに発泡スチロールに氷を詰めたケースなどの中に収まっていますよね。
…なるほど、確かにセリに掛けられる魚ってすでに締めてあるイメージですよね
● 漁師が獲った魚を「活魚車」が大切にお店まで搬送
当たり前かもしれませんが最初は、漁師さんが海から魚を獲ってきます。網にかかった魚は生きたまま漁船の中の水槽へ移します。漁港へ戻ると、種類や大きさなどにより分けられます。
…漁師さんが魚を獲るイメージは湧きやすいですが、それをお店にどうやって運ぶのかが気になります
そうですね。お店への輸送には、特殊な装備を備えた活魚搬送専用のトラックが必要になります。この特別なトラックは「活魚車」と呼ばれています。
活魚車は輸送中に水替えをするわけにはいきません。そのため、酸素不足にならないように常にエアーを送りこむと同時に、水が濁らないようにろ過装置も取り付けられています。
魚たちは人間のように自分で温度調節をすることができず、水温の変化にも弱いため、運転席で水温をチェックできるようにもなっています。
…それはすごいですね! 活魚車があれば魚の輸送も簡単にできそうです
ところが、実はそんなに簡単とも言えないんです。
魚たちは本当に繊細でストレスに弱く、暴れてしまうと体の中に乳酸がたまって味が落ちてしまうんです。
活魚車の運転はそれこそVIPを乗せているがごとく、まるでリムジンを運転しているかのようなスムーズさでないとダメなんです。
当然急ブレーキ、急発進、急ハンドルなどはNGなんですね。
ちなみに活魚車の水槽の中は壁に覆われて真っ暗と思いきや、照明で照らされて明るくしてあります。これも急に暗くなって魚が混乱しないよう配慮しています。
…そうなんですか。そこまで気を使って魚たちを運んでいるとは驚きです
● お店に到着した大切な魚たちを、万全の受け入れ態勢で
このように大事に大事に運ばれてきた大切な魚たちを、いよいよお店の水槽に移していきます。
ここで魚にストレスを与えてしまっては、今までの苦労が台無しになってしまうので、お店のスタッフも気を引き締めます。
海を泳ぐ魚をそのままの活きの良さでお店へお迎えしたいですからね。
…なんだかスタッフの緊張感が伝わってくるようです。ところで水槽の魚はみんな元気そうですね。私事ですが、実は金魚の飼育でさえ苦労しているのですが。
魚を元気に保つのも、確かに難しい面があって、苦心するところですね。
魚たちがお客様に釣っていただくその時まで元気にいてもらうため、衛生的にも万全な気配りをしています。
お店の海水は魚が元気に泳げるように生物濾過で海水を循環させ、定期的に海水を補充することで綺麗に保っています。
海水の温度も専用装置を使用して、常時18度前後を保つように管理しています。
活魚車の水温とお店の水温差が大きいと魚にストレスがかかり、最悪死んでしまう可能性までありますので、生け簀の温度には特に注意しています!
…それは安心ですね。ちなみにうちの金魚の水槽って結構すぐに汚れちゃんですけど、お店の生け簀がいつも綺麗なのはどうしてですか?
生け簀は毎日ゴミの除去、毎週フィルター清掃、3ヶ月に1回はろ材のチェックをしています。
それだけでなく水質チェックも定期的に実施しています。 スタッフ同様、魚たちも元気でいてもらいたいですから!
…なるほど。そこまで手をかけられたからこそ、海にいるような元気さを保っているんですね。ざうおの秘密を垣間見ることができました。
今日はお忙しい中ありがとうございました!
このようにたくさんのスタッフが一生懸命「活魚」がまさに「活きた魚」でいるために、陰ながら努力を続けているのですね。
みなさんも、そんなことを思い浮かべながら魚たちを見ていただくと、ちょっぴり見る目が変わってくるかもしれませんね!
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