初夏を迎え、梅雨の足音がアスファルトに響く頃。
「いいのか?」
何処からともなく声が聞こえる・・・。
「飯田君、料理人としてふぐ免許の1つも持ってなくていいのか?」
そう言い放ったのはざうお新宿店料理長であり、ざうお関東料理人のドン、
小久保料理長である。
6月某日、約2ヵ月に亘る僕の挑戦はこうして幕をあけた。
登場人物
挑戦者:渋谷店副料理長 飯田和也 |
コーチ:新宿店料理長 小久保料理長 |
ふぐ調理師免許、とは
最初にふぐ調理師免許取得までの簡単な流れを。
① 願書受け取り(タダ)
② 願書提出(約20,000円 チーン)
③ ひたすら練習(ふぐ材料費約37,000円+皮引き包丁約20,000円 チーン)
④ 築地のふぐ除毒場で勉強
(入会金10,000円+教本&DVD約6,000円材料費5,000円×2 チーン)
⑤ 学科試験(タダ)
⑥ 実技試験(白衣、前掛け、帽子、白タオル6枚、約10,000円 さらにチーン)
⑤ 学科試験(タダ)
⑥ 実技試験(白衣、前掛け、帽子、白タオル6枚、約10,000円 さらにチーン)
とにかく、
「金が掛かるっ!」
け、け、け、経費で・・・と言いたくなるところだが、自分の為の資格である。
身銭を切らねば意味がない。これは何としても合格せねば。
決心を胸に抱き、ざうお新宿店の小久保料理長のもとを訪れます。
いざ特訓!
ここからは練習風景
出勤前に新宿店で小久保料理長の指導を受ける。
以前も小久保料理長の下でふぐに従事していたが、
「やばい、完全に忘れている・・・」
そこを見透かしたかのように小久保料理長の熱い指導が入る。
「違う!そうじゃない!」
厳しくも愛のある指導である。
「うーん、やはり皮引きが難しい・・・」
ふぐをおろしていく中で一番難しいと言われている行程が、この皮引き。
さてここで、ふぐに関する簡単な補足です。
本番の試験で使われるとらふぐには、可食部位と不可食部位があります。
不可食部位とはいわゆる毒。
可食部位の中にはちり材料、ひれ、皮、雄の場合は精巣等が含まれます。
ちなみに卵巣はとらふぐの中で最も毒性の高い部位で、1匹あたりが保有する殺傷力は、なんと
ヒト12人!!!
を死亡させると言われています。
食べたことあるけど「生きてるよー」っという方、あなたは奇跡の食材を口にしています!
ちなみにこちらがその可食部位と不可食部位。
↓↓↓
たまに学科の勉強もします。
そうして日々練習に明け暮れ月日は流れ、すったもんだがありまして、
迎えた実技試験本番!
迎えた実技試験本番!
(筆記試験は写真もないので割愛させて頂きます。)
ちなみに試験会場はこんな感じ
流石に会場は異常な緊張感に包まれ、周りを見渡してみても
ケータイを出して写真を撮っているのは僕ぐらい・・・
ケータイを出して写真を撮っているのは僕ぐらい・・・
「こんなことしてたら試験落ちるかな・・・。」
「・・・。」
「・・。」
「・。」
「・・・。」
「・・。」
「・。」
本番はふぐをバラして可食部位と不可食部位をバットに分けます。
さらに皮引き、最後にふぐを片身で24枚刺身用に引きます。
さらに皮引き、最後にふぐを片身で24枚刺身用に引きます。
この工程を20分以内に行わなければなりません。
早い人は15分程度で終わっていました。
僕はというと時間ギリギリ、しかし終了直前に
まさかの痛恨のミスを犯していたことに気づきます。
鑑別札と言われる各部位を識別する札を乗せ忘れてました!
気付いた時には時すでに遅し、慌てて乗せようとするもここでタイムアップ。
うーん、敗戦濃厚だなー・・・
それでは結果発表!
「どうぞ!」
「こ、これは!」
まさかの、大どんでん・・・
「なかったー!」
感想
結果は残念でしたが失敗だったとは思っていません!
試験が終わった瞬間からもう1度挑戦したいという気持ちになり、
来年こそは必ずや受かってみせたいと思います。
そして忙しい時間を僕の為に割いてくれ、本当に丁寧に指導して下さった小久保料理長と、
僕がふぐの練習の為に度々店を開けている間にサポートしてくれた
渋谷店のメンバーたちに心から感謝します!
渋谷店のメンバーたちに心から感謝します!
ありがとうございました!
そして来年、店の生け簀の中を悠々と泳いでいるふぐに目を輝かせている
まだ見ぬ未来の子供たち!
「今年はこれで勘弁してくれ!」
「渋谷店名物!さばっ!」
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