釣船茶屋ざうお

小野本部長

おせちを作ろう!おせちの意味を知ろう!【後編】~マナミの花嫁修業・第8弾~

皆様こんにちは!

今日は前回(http://www.zauo.com/experiences/9096/)に引き続き、小野本部長とのコラボ企画『おせちを作ろう!』の後編をお送りします!

 

今回の登場人物
本部長 小野:
ブログでもお馴染み小野本部長!
昔日本料理のお店で働いていた時に大量のおせちを作っていたとのことで、今回先生をお願いしました!
マナミ:
普段はデザインの仕事をしています。
「おせちを作りたい!」と言い出したものの、スーパーで売っている既製品をお重に詰め替えることが多かったので一からのおせち作りに戦々恐々。

 

前回では一の重を作っていきました!

続いて二の重・三の重を作っていきましょう!

 

二の重は海鮮重!

海老の煮物

今回赤海老を用意しましたが、ブラックタイガーや車海老の方が煮物には向いているそうです。

まずは殻のまま背を丸くし、殻と殻の間に竹串を刺し背わたを抜きます。

 

 

 

ひげを綺麗に切り揃え、尻尾の先も直線に切り落とし、尻尾の内側を包丁の歯で掻くように綺麗にします。

この部分は黒く変色しやすいので、綺麗に掃除しておいた方がいいそうです。

 

 

 

出汁は前編の数の子作りで使ったかつおの二番だしを使っちゃいます。

かつおを入れ煮立たせて出汁を取り、薄口醤油・みりん・酒・砂糖少々と臭みを取る為に生姜のスライスを入れ海老を入れ沸かします。

グツグツしてきたらアクが出てくるので、すぐにアクを取ります。

アクを放置してしまうと再度煮汁に溶けだしてしまうそうなので、出たらすぐに取り除くことがポイントだそうです!

海老はあまり煮過ぎると身が硬くなってしまうので、ある程度アクが出たかなーというところで火から外します。

 

 

 

あとは上にキッチンペーパーやラップで落とし蓋をし放置して味を浸みこませます。

これで完成!

 

帆立串

あれ…?帆立も全く写真がありませんでした!すみません!!

 

買ったのはベビー帆立。

帆立も上の海老と同じ、かつお出汁・薄口醤油・みりん・酒・砂糖で煮たたせ、火が通ったら冷まします。

冷ます過程で味が入っていくので、炊くのはサッとでOK。

冷めたら串に刺して完成!

名前にベビーって付いてるからでしょうか。なんか可愛いです。

 

酢ダコ

これは簡単!

買ってきたボイルタコを細かく切ります。生ダコの場合は塩もみをしてぬめりを取ってからお湯と塩少々でボイルします。

かつおだしに薄口醤油、酢、砂糖を入れて沸かし、さらに追いがつおを入れて冷ました『土佐酢』を作ります。

冷えたらタコを入れて漬けておきます。

これが美味しくて!感激でした。

帰って、次の日家でも速攻作りました。笑

 

ブリの照り焼き

ブリはうろこがあったら取り除き、も〇みち風に両面に塩を振っておきます。

30分程置いておくと水気と共に臭みが出てくるのと、塩で身がギュッと締まって旨味が増します。

軽く水で洗い流しキッチンペーパーで拭いておきます。

 

 

 

水・濃口醬油・みりん・酒・砂糖と、あれば香り付けに柚子を鍋に入れ火に掛け、アルコールを飛ばす程度に熱します。

冷めたらブリを入れ漬けておきます。

柚子は前編でなますを作った時の使わなかった身などの余り部分でOK!

 

 

 

平に焼くよりちょっと膨らんでいた方がカッコいいので、串打ちをし形を整えてから焼きます。

その後魚焼きグリルで焼くのですが、家庭では竹串でもOKです。

ただ竹串だと焦げてしまうことがあるので、ある程度焼き固まったら一旦出して串を外した方が良いです。

 

 

 

グリルに入れ、焼いては先程の漬けダレを掛ける、焼いては漬けダレを掛けるを繰り返していきます。

そうすることで照りっ照りにブリが輝くのです!

 

鯛の塩焼き・お頭付き

鯛はウロコを取り、エラの中のワタを取り出します。

はらわたを掻き出すのですが、飾る時に顔の左側が上になるように盛り付けるので、右顔の方の腹に切り込みを入れてワタを掻き出すと傷が気にならないんだそうです。

すごい!!

そんなことまで考えて作られているんですねー!!感激!

 

 

 

内臓を処理したら、今度は串など細目のもので表面を沢山刺し、細かな穴を空けていきます。

 

 

 

そして水に3%の塩を入れた塩水(たて塩)に鯛を暫く漬けておきます。

何で塩水に漬けるんですか?表面に塩振らないんですか?と聞いたところ、表面に塩を振ると焼いたときに焦げ目も見た目も汚くなってしまう為、お祝い事の時などは塩を振らずにたて塩をして焼くそうです!

こんなところにも気遣いがーー!!

すごい!和食って奥が深いですね!

 

 

 

鯛に躍動感が出るように串打ちして焼いていきます。

串は右の顔の側へ!

一本は目から入れ中骨の反対側に通しまたこちら側に突き出します。

もう一本はお腹から入れ中骨を通って背中側に。一本目とクロスするように。

 

 

 

尻尾・ヒレ・背ビレなどの薄い部分は焦げて真っ黒になりやすいため、塩をたっぷり着けて焼きます。

『化粧塩』というもので、この際尻尾やヒレを広げながら塩を着け焼くと綺麗に広がった状態で焼き上がります。

 

 

 

グリルで焼いて完成でーす!!

ヒレも尾も綺麗に広がっています!

 

これで二の重は完了―!!

 

では三の重です!三の重は全面お煮しめ!

煮しめは私が作ったのであまり上手じゃなくてごめんなさい…!

 

煮しめ

干ししいたけは数時間前から水に漬けて戻しておきます。

まずはお祝い事に華やかになる梅人参!人参を切って梅の型で抜きます。

 

切った花びらの中心から外に向かって浅く→深くなるように切り込みを入れます。

 

 

 

切り込みを入れた部分から斜め下に向かって浅く→深く切っていきます。

ねじり梅の完成です!

 

 

 

次にこんにゃくを薄切りにし、真ん中に切り込みを入れ

片方をくるんと穴の中に通したら結びこんにゃくの完成です!

 

 

 

れんこんは皮を剝き、穴と穴の間の上部を包丁を入れ削ります。

できるだけ角は丸めにしておきます。

繊維がしっかりしているので、ボロっと穴まで崩れないように注意!

軽く湯通ししておくと崩れにくいそうです。

食べやすい薄さに切ると、お花になっています!

 

 

 

ごぼうは皮を削いで、里芋は六角切りに皮を剝いて両方酢水に漬けておきます。

干ししいたけを戻した汁に鶏肉・こんにゃく・ごぼう・れんこん・人参・六角切りにした里芋・戻した干ししいたけを入れ、水・濃口醬油・みりん・酒・砂糖でグツグツと煮込みます。

煮えたら冷まして味を含ませて完成~!

本当は人参は一緒に炊かずに出汁と薄口醤油とみりんで煮た方が色が綺麗に仕上がったそうです…!

飾り用にインゲンをお湯と塩でサッと茹でておきます。

 

 

 

長かったですが…

これで全て完成です!!

イエイイエーイ!

 

完成

そしてそして、完成したのがこちら!

ジャンっ!

おおーーおせちだーー!!!

素敵素敵―!!

 

 

 

では、ひとつひとつ意味と共に内容を見ていきましょう!!

 

まず、おせち料理とは元々季節の節目ごとに神様に供える『御節供(おせちく)』というものだったそうです。

その後江戸時代に一番おめでたいお正月にふるまわれるものだけが『おせち料理』と呼ばれるようになったのです。

正月三が日、かまどの神様を休める為に、現在では主婦が料理を作らなくていいようにと年末に作っておき、お正月の三が日はおせちを食べるとされています。

なので長期保存がきくように甘めの味付けだったりお酢を使っていたり、保存に向いている食材を使っています。

 

そして『めでたさを重ねる』という意味で重箱に詰めるそうです。

本来は四段 (縁起が悪くならないように四ではなく与段と書く)が正式だったようですが、今は二~三段が主流なので三段重について記載していきます。

 

一の重 祝い肴・口取り

三段重の場合、一の重には酒の肴になるものや甘く味付けたおつまみを入れます。

 

【伊達巻】

伊達者(シャレ者)が着ていた着物に似ていたことや、形が絵や書物の巻物に見えることから知識や文化の発達を願う意味が込められています。

 

 

【紅白かまぼこ】

赤は魔除けと慶びを表し、白は神聖を表し、紅白はおめでたい組み合わせとされています。形が日の出に似ているので元旦に相応しいとされています。

 

 

【田作り】

片口イワシを肥料として畑に撒いた為、豊作を祈願して田作りと言われています。地域によっては「五万米(ごまめ)」と呼ぶところも。小さいけどお頭付きの祝い品です。

 

 

【昆布巻き】

昆布は『喜ぶ』の言葉にかけています。『養老昆布』と書いて長寿の意味もあります。

 

 

【黒豆】

黒色で邪気を払い、健康に『まめまめしく(勤勉に)働く』という意味が込められています。

 

 

【錦卵】

黄色と白が金と銀に例えられ、二色を錦と語呂合わせしているとされています。

 

 

【栗きんとん】

黄金に輝く財宝に見立て、栗は『勝ち栗』と呼ばれることから商売繁盛や勝負運を願うものです。

 

 

【数の子】

数の子の親のニシンが多くの子を産む為、子孫繁栄の意味があります。

『二親健在』とも。

 

 

【紅白なます】

昔は生の魚も入れていた為なますと言うそう。

縁起の良い紅白と、細切りの大根・人参を水引に見立てているとも。

 

 

二の重 焼き物

海の幸を中心に焼き物を詰めていきます。

 

 

【鯛】

『めでたい』と掛けて、お祝いには欠かせないものとされています。

恵比寿様が持っていることでも縁起物とされています。

ざうおと言えば!でいいですね~。

 

 

【海老】

長いひげ、腰の曲がった海老は腰が曲がるほど長生きできるようにと長寿の願いが込められています。

 

 

【タコ】

タコは『多幸』と書かれ、赤と白であることからも縁起がいいとされています。

 

 

【帆立】

帆立は殻が船に帆を立てているように見えることから帆立と名付けられたそう。『順風満帆』や貝の末広がりで縁起がいいとされています。

 

 

【ぶり】

ぶりは出世魚であることから、出世を願う縁起物とされています。

 

【菊花かぶ】

菊は邪気を払い不老長寿の象徴とされています。

 

 

三の重 煮物

三の重は家族が皆一緒に仲良く結ばれるように、お煮しめを入れます。

 

 

【蓮根】

沢山穴が空いているので、将来の見通しが良くなるようにという意味があります。

 

 

【里芋】

小芋が沢山つくことから、子孫繫栄の願いが込められています。

 

 

【ごぼう】

根を深く張り、代々続く事を願います。

 

 

【手綱こんにゃく】

武士が馬の手綱を締め心を引き締めるという意味がありました。

また、結びこんにゃくとも言い、縁を結ぶものとして縁起ものとされています。

 

 

【しいたけ】

笠に見立てたしいたけは神様へのお供え物として重宝されており、健康・元気という願いが込められています。

 

 

【梅花にんじん】

梅は花が咲くと必ず実を結ぶことから、縁起の良い物とされています。

 

 

 

いかがでしたか。

今回初めて一からおせちを作ってみて、日本料理の奥の深さや丁寧さ、それぞれの意味などを知り、本当に勉強になりました!!

 

子供の頃はおせちってつまみみたいな物ばかりであんまり食べたいものない~!って思っていましたが、
大人になるとどれもこれも魅力的で大好きなものばかりです。笑

出汁の取り方やおせちではなくても普段も作りたいものがいくつもあり、今後も自分で作ってみたいと思います!

 

日本料理って難しい!と思っていましたが、基本の出汁を学べば色々と派生させて作ることが出来るんですね。

いやー本当に勉強になって楽しかったです!

小野本部長、長い時間ありがとうございました。

 

もうすぐお正月!是非皆さんもご家庭で手作りおせち作ってみてくださいね!!

それでは皆様よいお年を!!

 

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