幻の高級魚「クエ」。クエの旬やおいしい食べ方について、「ざうお」の関東総料理長、小久保さんにお話をうかがいました!
-- クエとはどんな魚ですか? 関東ではあまり聞いたことがありませんが……
(小久保さん)関東ではあまりなじみのない魚ですが、九州ではよく知られた高級魚です。関東では「クエ」と呼ばれますが、九州では「アラ」と言います。見た目は無骨な形ですが、白身はふっくら、厚い皮にはコラーゲンが豊富で、とにかくおいしいお魚です。胃袋やエラまで捨てるところがなく、脂がたっぷりのっていますが、大トロとは違ってさらっとした上品な脂です。鍋にすると皮のコラーゲンが、だし汁にとけ込んで、とても美味です。
-- 旬や産地について教えてください。
(小久保さん)天然ものの産地はだいたい九州で、主に長崎などです。なかなか手に入りませんが。長崎、和歌山では養殖もされています。
旬は冬です。11月は大相撲の九州場所なので、福岡では力士のみなさんがこぞって「クエ鍋」を召し上がるんですよ。
-- クエは「幻の魚」とも呼ばれていますが、なぜですか?
(小久保さん)クエが「幻」と呼ばれるのは、釣ろうとしてもなかなか釣れず、手に入りづらいからです。夜行性で、岩場に隠れていて、時期によっては深海の方に行ってしまうことも。そして、ぜんぜん餌を食べてくれない。「クエ」という名前は「餌を食え(クエ)!」からきているともいわれています。
また、クエは育つのが遅く、2〜3年でも2キロまでいかない。30〜40キロの大物は30〜50年くらい生きているものです。大きければ大きいほど貴重になります。
-- 家庭でできる簡単な調理法を教えてください!
(小久保さん)「クエのホイル蒸し」は、調理が簡単で、ふっくらした白身と弾力のある皮の味わいを楽しめる一品です。
クエのホイル蒸し(1人前)のつくりかた
- クエのサクを1.5cm程度の厚さに削ぐ。2〜3切れほど
- 沸騰した湯に1. をくぐらせ、冷水でしめる
- ホイルに2. と季節の野菜を包み、出汁を50cc程度入れる
- オーブントースターで7〜8分加熱する
- ポン酢でいただく
また、「クエのしゃぶしゃぶ」も簡単で美味です。
クエの身を5mmくらいの厚さに削いで、温めた出汁でしゃぶしゃぶして、ポン酢でいただきます。脂がしみ出して、とてもおいしいですよ。
-- 「ざうお」おすすめの「クエ」メニューを教えてください
(小久保さん)「ざうお」では、お刺身や鍋、唐揚げにしてご提供しています。年によっては置いてない時もありますが、今年(2015年)は仕入れる予定です。
お店で仕入れたときは、生け簀に泳がしていますが、大きいのでヌシの風格がありますよ。ぜひ釣り上げにきてください!
(まとめ)
もちもちした皮の食感!一度は絶対に食べておきたい格別な味
「クエ」は、ヒラメやタイとも違う贅沢な脂と、弾力のある皮の存在感が忘れられないお魚です。東日本ではあまりなじみのない魚ですが、もしもまだ食べたことがないなら、絶対に一度は食べてほしい一品! 特別なディナーや、お祝いの席に最適なごちそうです!
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